|
Microsoft® Visual Basic® Scripting Edition インポテンス |
検査値の正常と異常の検索 病気治療目次戻り |
男性が性交時に陰茎が勃起の状態を得られないのをインポテンスといいます。インポテンスには,精神的心理的要因で生じる機能性インポテンスと,性器や神経,内分泌の障害から起こる器質性スンポテンス,および器質性と心因性の両方の3つに分けられます。
日本性機能学会が定義しているインポテンス=勃起障害は,性交の機会の75%以上で勃起が不十分なために挿入が不可能の症状としています。すなわち性交の機会が4回あるうち3回うまく勃起できない状態をインポテンスということです。
人の勃起は性的な刺激が大脳に伝達され,脊髄を通過して仙髄にある勃起中枢を興奮させます。ここから末梢神経を経由して陰茎内の動脈を拡張させて動脈血が陰茎海綿体に流入し,勃起が起こります。よって,この神経経路や陰茎の血管系に障害があると勃起は起こりません。これが器質的インポテンスというものです。ストレスなどの心理的要因によるインポテンスは機能的インポテンス=心因的インポテンスと呼ばれます。
勃起障害は加齢によるものの他に,多くの危険因子が関与しています。症状もそれらの因子により微妙な相違があります。その一部は,心血管疾患の危険因子と共通のものがあります。喫煙,高血圧,糖尿病などがあるのと,また腎疾患,うつ病,脊髄損傷,骨盤骨折,前立腺切除,薬剤,動脈硬化症などが原因である可能性があります。
インポテンスは勃起機能検査により,機能的インポテンスと器質的インポテンスに鑑別されます。勃起機能はビデオによる性的な聴・視覚刺激を負荷して行います。もし性的刺激によりほぼ完全な勃起がみられれば機能的インポテンスと診断されます。しかし,性的刺激に対する感受性は個人差により有効な刺激になるとは限りません。このような場合は夜間睡眠時におこる勃起が測定されます。この勃起は夢をみている時期に起こるといわれます。この検査は入院を必要とし,3日間連続して陰茎の周径や硬度の変化を測定します。この検査は専門の病院が行うものです。夜間勃起を個人的に簡単に測定するものにスタンプテクニックという勃起機能検査の簡易法があります。官製郵便切手4〜5枚綴りの糊面を表にして就寝前自分の陰茎に巻きつけ,翌朝その切手が切れていれば夜間に勃起が起こったと診断します。
日本では勃起不十分の陰茎に「お助け船」と名づけたヘラ状のものをとりつけたり,肥後ずいきの陰茎巻きつけのものなどありますが,古代アラビアでは動物の骨を陰茎に挿入したりして性交を可能にしたりしていました。陰茎プロステーシス挿入手術は,硬い棒状のものを陰茎海綿体の中に挿入し,その硬度を利用して性交を可能にする器質性インポテンスの治療法です。これは実用化され,細いステレス鋼をシリコンゴムなどにで包んだもの=プロステーシスといいますものを陰茎陰嚢部や亀頭冠下部から海綿体に挿入するものです。普段は折り曲げ状態として,性交時にプロステーシスを伸展させて性交します。この方法の他に,より自然な勃起状態に近づけるものとしてインフレータブル陰茎プロステーシスというものがあります。これは,伸縮自在の@シリコンシリンダーとAポンプ,Bレザボアという袋の3の構成部分の@を陰茎海綿体の中に挿入し,Aは陰嚢に,Bは膀胱に植え込み,それぞれをチューブで連結します。性交時,陰嚢内のAポンプを手動し,膀胱前にあるレザボアBの中に液体を@のシリンダーの中に移動します。これにより,萎縮していた陰茎が勃起して性交を可能とします。
その他,器質的インポテンが疑われた治療法として真空式勃起補助具や血管海綿体注射の人工的勃起方法もあります。
心因性のインポテンスの治療は勃起を起すストレスを取り除くことにあります。不安を取り除く行動治療としてあるものとして,一つは,勃起が不完全でもとにかく陰茎を膣に挿入してしまう方法です。これをスタフィング・メソドといわれています。その挿入の補助具としてシリコーン製の勃起補助具=お助け舟があります。その他,ノンエレクト法といわれる逆説的心理療法があります。高齢男性のインポテンスの原因に動脈硬化が多くみられます。若いうちから動脈硬化の予防が大切です。特に,喫煙がインポテンスの原因となることが動物実験で明らかになっています。
バイアグラは性的不能治療薬として安全かつ有効であることが立証された最初の経口薬です。バイアグラを性交の約1時間前に服用すると,患者が性的に興奮し,刺激を受けるときに作用します。二重盲検プラセボ対照試験で15項目からなる国際的な勃起不全スケールを用いたものは有効性が評価されたものです。膣に挿入できた,性交終了まで勃起持続した,満足のいく性交回数があった等の被験者の回答はバイオグラは勃起障害の治療法として国際的に承認できるものです。日本においても99年になって認可されました。バイオグラは,陰茎の勃起を司る主要な神経伝達物質,酸化窒素を遊離させるものです。そのために性的に興奮しなければ,酸化窒素は体内循環にも海綿体内部の循環にも入らず,バイアグラも作用しないものです。すべての勃起不能患者に効く薬ではありません。
バイアグラは性欲促進剤ではなく,また性的欲求や性的衝動を高める作用はありません。薬であるからには,薬の副作用として,頭痛,顔面紅潮,消化不良,視覚異常が起こることがあります。医師の指導のもとに服用することがバイアグラの本当の実力の恩恵を受けるものになります。