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心電図による検査
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心電図による検査とは ?
心電図は,心臓の筋肉(心筋)が収縮するたびに発生する微量の電流を,波の形の図形に記録したものです。この波形の各部分は記号化命名されています。正常な心電図は,心房にある洞結節から規則正しく起こる電気的刺激が,房室結節を経て刺激伝達系の道を通って心筋に伝わります。この洞結節のリズムが乱れたり,刺激伝導系の一部に障害が起きたり(期外収縮)しますと,心収縮のリズムは不規則に乱れて,「不整脈」を起こします。また,心臓は筋肉の塊ですから,心筋には冠動脈という血管が血液を送っています。この血管の一部が狭くなつて血流が乏しくなると,その部分の心筋細胞の興奮と回復が妨げられ,その結果,心電図に微妙な変化を示す(ST低下など)ようになり,狭心症や心筋梗塞が起これば,その変化は,より一層に明瞭に現れるものとなります。

このように,心筋への血流不足傾向の現れを総称して,心電図上での「虚血性変化」が現れているといわれます。「冠不全」「冠硬化」などという病名のものは同じような意味をもったもので,心電図上に虚血性変化が現れているときの呼び方の一つになります。この他,心電図には,心肥大や心臓の軸の変化など,さまざまな所見となるものが読み取れます。主要な異常として,「不整脈」の有無と「虚血性心疾患」の有無を知るのが心電図検査の目的となっています。

心電図による検査
次の表は心電図検査の関連事項を要約したものです。

心電図による検査関連 内容
不整脈の有無検査 不整脈といっても,脈が速くなる場合(頻脈),脈が遅くなる場合(期外収縮その他),常に不規則な場合(心筋細動)など,実にさまざまなものがあります。また,いつも不整脈なのに自覚症状のない場合の特異なものもあります。しかし,代表的な不整脈の症状は,動悸,胸部不快感,息切れ,めまい,失神発作などがあるものです。自覚症状から病的な不整脈が疑われますと,長時間(24時間)の心電図観察(ホルター心電図)や不整脈を起こす基礎疾患の診察が行われます。
虚血性疾患有無の検査 心筋に血液を供給する冠動脈が狭くなりますと,心筋への血流は当然少なくなり,一時的に血流が不足して,胸部痛症状の「狭心症」,その血流がストップしますと,血管がつまり,心筋の一部が壊死する「心筋梗塞」になります。これらを総称したものが,虚血性心疾患といわれるものです。
長時間連続心電図検査 心筋梗塞の予防の不可欠検査のホルター心電図は,携帯用のコンパクトな心電図計です。これは前胸壁に最低3個の電極を装着,24時間の心電図を小型テープレコーダに記録します。安静時,ただ一回(数分間)だけの記録において見落としのある心電図検査を改善したものです。多少なりとも自覚症状のある方は,安静時の心電図一枚の記録波形で心筋梗塞の予知ができたと考えてはいけません。
運動負荷連続心電図検査 運動による脈の増加は,心筋に多くの血流(酸素)を必要とします。それが,冠動脈の一部に狭窄状態がありますと(ある限度を超えた運動量の負荷),必要血流量が不足し,その結果,心電図上に変化が現れます。一定量の運動中の血流量をとって,潜在する冠動脈狭窄の存在有無を調べるのを負荷心電図といいます。近年になって,「トレッドミル」という心負荷検査法が基本となっています。心電計を胸につけ,ランニング・マシンの上を走り,坂道をランニングしているのと同じ状態の負荷をかけるなどをしまして,脈拍数が基準の数まで増加したときの心電図の評価をします。この検査で,心電図のST部分(左右両心室の興奮より回復過程部分)が安静時より1ミリ以上下がると陽性と判定されたりするものがあります。トレッドミル検査で陽性でなければ,そのうちの90%は狭窄の疑いなしとされます。
画像検査 トレッドミルで虚血性変化が確認された場合や,症状から狭心症の疑いがある場合,また,心筋梗塞の危険があると判断された場合は,冠動脈造影を調べられます。冠動脈の入り口にカテーテルを挿入して造影剤を流し,冠動脈を直接写し出す方法が冠動脈造影法といわれるものです。この検査によって,冠動脈の狭窄の有無,狭窄の場所と程度が明瞭に診断されます。これは虚血性心疾患の究極的な検査法となっています。
各項に関連する詳細は,検査値の正常と異常の検索を参照してください。